館長の部屋
月光図書館館長の雑記です。読んだ本のこと、日々のことなどを綴っています。
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どんなジャンルも読みますが、外国人作家、児童文学作品をよく読みます。漫画も好きです。
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2009
11,23
11:38
母であり、女であり、少女である
CATEGORY[児童文学]
「全部わかっているの。わかっているのよ。」
いつものように一緒にトイレに入って抱っこしていたら、娘がこう語りかけてきました。
何を?と聞いても、娘は笑って「わかっているの」と繰り返すばかり。
ああ、怖い。子どもの世界。ゆらぐ自分の心。
児童文学の画家として一番大好きな酒井駒子さん。先日安曇野絵本館にて、始めて原画をみることができました。(HP月光図書館内の児童文学館で紹介しています「夜の鳥」の表紙絵の方です)
酒井さんの絵は全てが好き。印象的な黒、粗いタッチ、静謐な色、愛らしい形、甘いのに寂しい女の子の時間そのもの。母となってみているわが子の姿も、自分の少女時代の苦さも、全てくるんでくれている。
ああ、そうだ。女の子って可愛いのにとても怖い存在だ。
自分は相手を見ていると思っているけれど、もっと相手は自分を見つめている。
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2009
09,26
08:57
絵本の旅
CATEGORY[児童文学]
この夏、絵本の原画展に足を運びました。
隣の安曇野市穂高には絵本関連の美術館が点在しており、久しぶりに訪れることができました。
ひとりは、イラストレーターとしても有名な和田誠さん。「週間文春」の表紙や、シネマ・ジャズ関係の書籍の表紙絵でも有名な方です。ちなみに、展示を行った安曇野絵本館は、子ども禁止の場所のためしばらく訪れていませんでした。館主にうかがったところ、常連さんのように絵本館の内容を知ってくれているお客さんなら子どもも大歓迎とのことです。ならば、次回は娘も入れるかな…。
もうひとりは、いせひでこさん。「ルリユールおじさん」「絵描き」等最近の作品しか知らなかったのですが、実は沢山の画風を描き分けて、数多くの絵本や児童書の挿絵を出されていたのですね。今回は、弟テオからの視点でゴッホを描いた絵本「にいさん」と、実在の植物学者をモデルとした「大きな木のような人」の原画をみることができました。もうほとんど片目を失明されているといういせさん。器用な絵と人柄いうイメージでしたが、実は、不器用で、ゴッホのように社会と折り合いが上手くつけない孤高の職人タイプにひかれるそうです。現在の文も絵も両方担当されてからの絵本のほうが、のびのびと作品を作り出されているという印象です。「にいさん」で描かれる、青と黄色の壮絶さ。印刷の紙では出てこない気迫、哀しみにうたれました。会場は結婚式もできる絵本美術館、森のおうちでした。
久しぶりに美術館へ行って一番感じたこと。空気がとっても優しい。特に安曇野絵本館は、館主の方のエネルギーが強いせいかしら。自分のとげとげが落とされる感じ。生きていくには、「それでいいんです」と受け入れてくれる空気が必要なんですよ。誰だって。
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2009
05,25
00:12
思春期の出会い
CATEGORY[児童文学]
「十一月の扉」 高楼方子(たかどのほうこ)作
今年の誕生日に友達からプレゼントされた一冊。
中学生の爽子が突然出会った大きな家、十一月荘。家族の転勤により、期間限定で十一月荘に下宿することとなった彼女が、さまざまな出会いを重ねる物語。
一番は、主人公の少女の出会いと成長。他人と出会うことで、最後は自分と出会うこと。家族と離れることで、より深く家族を知ること。自然なかたちで、思春期の繊細な日常が綴られます。魅力的な登場人物たちと、気をつかいながら、気持ちよい距離を保って生活する素晴らしさ。エピソードにも繰り返されますが、短期間、短時間でも、人生を変える出会いやパワーは存在します。ねたみ・そねみ・ひがみで世の中は出来ているという現実を知りつつも、こんな風に生活したいと憧れます。人を尊重するということ、なかなか実践できません。
少女が十一月荘で挑戦した、新しいこと。この辺りのエピソードは、宮崎駿監督の「耳をすませば」に感動した方や、児童文学に詳しい方なんかはぜひともツボに入るでしょう。児童文学の宝石箱のようです。
登場する女性の生き方、大人の態度…さりげなく、現代の姿を現しています。年をとったら、気の合う女性だけで共同生活するのもいいな~。
何よりもよかったのは、キーワードが「十一月」ということ。ここに切なさと美しさがあります。読んでのお楽しみ。
幸せなんだ、未来を思うことは。ありがとう、素敵な贈り物。友に感謝。
最近の娘の流行語。
「いーやーだー!」
ああ反抗期…。
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2008
05,22
22:44
まことの語り部
CATEGORY[児童文学]
「ヴォイス 西のはての年代記Ⅱ」 ル=グウィン作
河出書房新社
「ゲド戦記」の作者による新作ファンタジーシリーズの第二巻。前巻「ギフト」は北方の高地が舞台でしたが、今回は南に下り、海沿いの都市国家が舞台です。20年以上の月日が流れ、第一巻の主人公も大人となって登場し、本作でも重要な役割を果たしています。
交易で盛える学術都市が、ある日突然、異民族に侵略されます。文字を持たない文化を持ち、自分達の崇める火の神を絶対神とする侵略者たちは、都市にある書物全てを消し去り、多神教の都市文化を蔑み、殺戮と暴力の限りを尽くします。主人公の少女もまた、母親が侵略兵に暴行されて生まれた「侵略の落とし子」です。異民族の圧制に怯えながら、破壊された都市に住む少女の日常が細やかに描かれています。
旧都市国家の統治者である道の長の館に住む主人公は、拷問によって重症となった長を助け、侵略者への復讐を心に誓って生きています。本と文字を完全に失ってしまっていた世界で、少女は書物の隠された秘密の部屋を手に入れます。やがて、長から失われていた文字と書物を受け継ぎ、その大きな責任のもと、激動する政治のうねりに踏み出すこととなります。
なぜ、ヴォイスなのか。それは是非読んでいただきたい。美しいクライマックスシーンがあり、その情景が文字の間から燦然と輝いています。主人公の抱えるもの、心情の変化がまた秀逸。失われていた文字を吸収していく過程は、言葉を愛する者の叫びを代弁してくれています。本の扉を開けたら、ル=グウィンの言葉の魔法が、深く深く呼びかけてきて、どこまでも囚われるような時間でした。毎度のことながら、なんと、豊かな物語を創り出すのでしょう。この第二巻を読んで、わかりにくかった第一巻の「ギフト」の意味が幾層にも膨らみ、また読みたくなりました。
現実世界の戦争に照らし合わせ、人の営み─文化や政治について深く考えさせられます。戦争の残虐さと、人の理不尽さと、再生の道しるべ。表の政治を男性が仕切りつつも、裏には必ず女性の働きが支えとなっていることや、日々の家事労働の煩雑さや食の営みに重点が置かれて描かれているところもまた、彼女らしいです。多神教への深い造詣からも、アジアの国々や日本の文化への眼差しを感じました。久しぶりに夢中になって読みました。早く次巻が読みたいです。
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2008
04,18
14:21
チャグムに乾杯!
CATEGORY[児童文学]
「天と地の守り人」<全三巻> 上橋菜穂子作
「精霊の守り人」から始まり、10年にわたって出版されたこのシリーズも、ようやく最終章を読み終えました。
「チャグム~!」
我が家ではこれがしばらく合言葉となっていました。最初の「精霊の守り人」では、幼く、用心棒バルサに守られるばかりの少年が、この最終巻「天と地の守り人」では、大きな戦争を止めるために、独り過酷な旅を成し遂げるのです。実の親(帝)に何度も暗殺されかけ、亡き者とされても尚、その祖国の民を救うために、己を捧げます。その捨てっぷりが見事です。皇太子のプライドも、命さえも投げ出し、汚名と人を殺める業もまた、一身に引き受けます。そうしなければ、国を救えないとわかっているからです。全10冊にわたる守り人シリーズは、チャグムの視点からみれば、なんと大きな成長の記録となっているでしょう。最終章でまた最初の物語へ帰っていく嬉しいエピソードもありました。
一方、本来の主人公、女用心棒バルサもまた、最後まで「守り人」として戦い続けます。「用心棒と言えば聞こえはいいが、結局は金で命を守る仕事」と言い切る彼女も、第一巻で皇太子チャグムを守ったときから、ゆるやかな変化を迎えています。数え切れない修羅場を潜り抜け、鬼神のごとく強い彼女も、命の重さや尊さ、己の業の深さに逡巡し続けます。戦う場面の格好良さと共に、ゆれ続ける女性性の描写にまた、親しみがわいてきます。彼女だからこそ、「戦士」ではなく、「守り人」となれたのではないかと。そう、「守る」ことが、このシリーズの大きなテーマ。何かを守るためには、当然捨てなければならぬものもでてきます。混沌として、矛盾だらけの世界で、人は何を守っていくのか。守らなければならないのか。登場人物一人ひとりが、その答えを出していきます。自分さえよければいいという人はまた、必ずその答えが帰ってくるのでしょう。それは、自分の生きる現実世界も同じこと。
最終巻「新ヨゴ皇国編」では、戦場の生々しさが描かれています。戦争だけはしたくない。しないで多くの人が共存できる世界がいい。
この大きくて力強い世界を、またいつか、最初から読み直したいです。
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