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2007 04,28 10:27 |
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「かもめ食堂」 監督荻上直子 2006年日本映画
ずっと観たかった作品。DVDで鑑賞しました。 舞台はフィンランド。主人公は、かもめ食堂という日本食の小さなお店をオープンさせた日本人女性サチエ。閑古鳥が鳴く食堂に、偶然フィンランドにやってきたみどり、空港で荷物を無くしたまさこさん、という日本人女性二人が手伝いに加わり、地元の人たちと繰り広げられる日々がゆるやかに展開していきます。 お店の看板メニューは、日本のソウルフード「おにぎり」。繰り返されるお茶の時間。珈琲、シナモンロール、しょうが焼き、鮭の塩焼き…味覚・嗅覚を刺激される映像。三人の日本人女性が漂わせるほのぼのした関係と、サチエさんが言う「素朴で美味しいもの」を誰かと食べるという空間が、なんとも幸せな気持ちにさせてくれる映画です。また、フィンランドロケの映像と、北欧デザインで統一された店内の小物や衣装など、北欧好きにはたまらない世界です。 存在感あふれる女優の、演技とは思えないような自然な姿。まさこさんがかもめに餌を投げるシーンだけでも、見る価値あったと膝をうちたくなります。(なぜかあの日本人女性3人の立ち振る舞いを見ていると、自分の実際の友達にそっくりで、妙に納得してしまいました) サチエのマイペースさとクールさ。毎日欠かさない合気道の型と、プールで泳ぐ姿が、長年培われた彼女の芯の強さをよく表しています。たぶん、女性なら憧れる一種の「強さ」を体現しているキャラクターです。しかし、大多数がみどりのような「繊細さ」「思い込み」「自分を守るための攻撃性」を有しており、サチエに憧れつつも、前進できない悩みを抱えているのかもしれません。まさこさんは一見幻想的な役柄ですが、女性が持つシャーマン的な能力をさらりと表現していて、妙に共感できる存在でした。外見は一番弱そうなんだけど、肝がすわっているところとか。 印象に残ったシーンは、サチエの泳ぐシーン。女性がひとりプールで泳ぐシーンがある映画って、なんでこんなに多いのだろう。しかも女性の内面の何かを象徴させている。 「人のいれてくれた珈琲は美味しい」 「人の握ってくれたおにぎりは美味しい」 映画の中のこのセリフは普遍的ですが、同時に、 「自分のいれた珈琲が一番美味しい」 「自分の握ったおにぎりが一番美味しい」 という人間も実際にいるわけで、(←体験済み)だから世の中いろいろでおもしろいのかな、と思えるわけです。 サチエのおにぎりに関するエピソードは感動的な場面ですが、自分は逆に、親の行動のトラウマで一生ご飯つぶを食べれないという人(これも実際の話)を思い出してしまいました。良くも悪くも、家族の生活習慣が、死ぬまで影響し続けています。 最近重い内容の本ばかり読んでいるせいで、かなりいい息抜きになりました。観終わったら、早速珈琲を飲んだ夜でした。 PR |
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