館長の部屋
月光図書館館長の雑記です。読んだ本のこと、日々のことなどを綴っています。
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2007
06,02
16:23
深く静かな語りに耳を傾ける
CATEGORY[児童文学]
「ギフト 西のはての年代記Ⅰ」 ル=グウィン著
河出書房新社
世界三大ファンタジーの一つ、「ゲド戦記」でもよく知られるアメリカ人作家、ル=グウィンの新作長編。全三巻の予定の一冊目。ここでも架空の世界を舞台に、彼女ならではの重厚な物語が展開されます。
主人公は16歳の少年オレック。低地の町に住む人々からは「魔法使いが住む」と恐れられる高地で、一族を代表する父と、低地から嫁いだ美しい母と暮らしています。辺鄙な丘陵地帯で、放牧や農業でどうにか質素な暮らしを続けてきた高地の人々。その過酷な土壌に暮らす民は、各部族で異なった特殊能力「ギフト」を親から子へと代々受け継いでいきます。何故オレックが父に目を封印されて盲目として生きていくことになったのか…。主に「ギフト」の力をめぐる父と息子の葛藤を中心にして物語は展開していきます。
限られた資源で暮らすがゆえに、部族間での土地・家畜の争奪戦があり、また跡継ぎを残すための政略的な結婚や女性の争奪戦。攻撃的な強い「ギフト」(生き物を殺したり支配する力)を持つ部族が栄え、病を見つけたり、生き物と交流するような穏やかな「ギフト」を受け継ぐ部族は、生き延びるために他の部族との関係を保ったり、奥地でひっそりと暮らす等の道を選択する。高地の村を舞台にあくまで静かに進行する物語の中で、違った能力を持つ部族のそれぞれの歴史や暮らしぶりがさりげなく織り込まれ、主人公が生きる世界にどんどんひきこまれていきます。全体的には緩やかで地味なリズムでありながら、一冊の本の中に、実に豊かな言語と哲学、物語る力が完成されています。
「ギフト」を使うという行為は何なのか?そもそも何故こういった能力が存在しているのか?主人公と彼を支える少女は、強い力を授かった身ゆえに、深く悩み考え、決断をしていきます。大人からも世界からも安易に答えは出されません。問いが発され、それについて思索し、生きていく姿は、そのままこの物語を読む読者にも当てはまります。ル=グウィンが示す物語は、読む側にゆだねられています。
現在陣痛の波が押し寄せていますので、ちょっと駆け足で読みきりました。本来ならば、もっと一つ一つの言葉を吟味しながら読みたい作品です。個人的には、イタリアの言語学者ガヴィーノ・レッダの自伝小説「父 パードレ・パドローネ」の世界と重なりました。(イタリアの田舎の島で、厳格な父のもと、学校教育も受けられず、厳しい自然の中で羊飼いとして育てられる少年の物語です)
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