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2007 05,11 16:43 |
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「おしゃれのベーシック」 光野桃著 文藝春秋
服やインテリアを含む、幅広い執筆活動を続ける光野さんの最新作。 おしゃれに関する本のなかで、光野さんだけは唯一出版される本を全てチェックしています。 最初のエッセイ本 「おしゃれの視線」は、本屋で偶然見かけました。それまでファッションに関する内容で、読むにたえるだけの本とは出会ってなかったのですが、おしゃれのポイントはまさに「視線=見ること、見られること」だと考えていたときに、このタイトルはひきつける何かを発していました。それ以来、新作が出る度に読んでいます。(小説に関してはあまり興味がわかず、エッセイだけ読んでいます) 彼女の著作には、常にこの視点が。 服を「着る」とは、自分の体と精神両方を客観的に知る行為である。 自分の全身(後姿も含め)を冷静に言えますか。人生における目標、周囲が自分に期待するもの、大切にしている価値観…「生きる」行為全てがファッションやインテリアの土台(ベーシック)を作っていく。 その年齢ごとでの自分の環境、精神的な葛藤を分析しながら、ファッションやインテリアを模索していく光野さんの文章は、あまりに繊細な感性と仕事で培った鋭い観察力、そして迷う人が持つ優しさに満ちています。 家族の転勤による外国での生活。そこで体験する徹底的なアイデンティティの危機。そこから立ち上がる過程は、曖昧にしてきた自分自身と向き合う過酷な体験です。光野さんはその体験を通じて、揺れ動く女性の人生とおしゃれを重ね合わせて書いてきました。 彼女の環境と好みは、自分とは全く別です。でも、子どもの頃から一貫して持ち続けるコンプレックスとのつきあい方や、各年代に伴う悩みや傷、日本人のファッションに感じること、分析力…常に先をいく姉のような存在として、憧れます。 今回の新作では、中東での生活と家族関係での精神的なダメージの大きさが察せられるように、少しエネルギーが落ちているかな?と思う内容でしたが、またさらに自分のワードローブを整理する(=生活を整理する)ことが書かれています。そう、年齢を重ねるごとに、生活を見直すエネルギーがもっと大変になるのだと、教えてもらいました。本当に必要な土台を見直す時期が来ていると。 本書で紹介されているベーシックは、どれもこれも一流の職人の品。自分の身の程で、一つずつ定番を見つけていきたいです。 PR |
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