館長の部屋
月光図書館館長の雑記です。読んだ本のこと、日々のことなどを綴っています。
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2007
04,12
10:24
松田聖子という価値
CATEGORY[テレビ]
深夜、テレビをつけたら松田聖子さんが映っていました。
松田聖子 女性の時代の物語 NHKスペシャル
今年で芸能生活27周年を迎える彼女を、2ヵ月半密着した映像。また、番組内で脚本家大石静さんが松田聖子にインタビューをし、最後に松田聖子が同世代の女性に支持される理由をコメントしていました。
松田聖子は45歳になっても綺麗だな~とぼんやり見ていて、途中途中挿入される、彼女のコンサート会場に足を運ぶ30代女性ファンの生き方が映し出されたとき、テレビを消せなくなりました。
「仕事も家庭も子どもも大事。あきらめたくない。」ときっぱり話す女性。会社経営の仕事をこなし、夫と家事を分担し、小学生の息子とは休みの時間をほとんど過ごす。松田聖子のコンサートへも息子を連れて行く。松田聖子と娘・サヤカが競演したときのビデオを息子に何度も見せ、「母親とはこういうものよ」と言い聞かせる姿。(理解できなくても、一所懸命母親の姿を受け入れようとしている息子さんの優しさが一番印象的。)
仕事を辞めて留学という、自分のやりたいことに反対する親の態度に悩んだ時、松田聖子の生き方に励まされたキャリアウーマン。
離婚を経験後、仕事を生きがいにしてきたキャリアウーマン。自分の時間を仕事に費やす生き方に疑問がわくときがある。松田聖子の歌の歌詞に涙する姿。
「自分らしく生きたい」「自己実現したい」
この言葉が体の芯から離れない。いったい何故だろう?番組に登場する女性達もみな、言葉にしなくとも、強烈に同じメッセージを発してるように感じられました。
仕事にも恋愛にも素直に打ち込めた20代にはなかった不安感。結婚して妊娠して目の前のことを大切にする日々。それとは別の、自分に焦点が当たる「目」があります。時代のせいなのか、性格のせいなのか。
以前なら、松田聖子という芸能人は嫌いでした。ぶりっ子の象徴、若さに固執するイメージ…でも番組を見たとき、この人の生き方、演出、全てが計算ずくであるからこそ、あっぱれであると尊敬しました。男性社会である放送・出版界からのバッシングを逆手にとり、なお自分の商品価値をプロデュースする才覚と根性。何よりも27年継続してきた強さ。もしかしたら整形をしているかもしれない体も、今現在があんなに美しいなら、それさえも彼女の努力の現れ。これからもバッシング勢はあらゆる理由付けで記事を書くでしょうけど、逆にあらゆる手段を使っても、自分の商品価値を売り続ける松田聖子はすごい、と思わせる印象を与えました。
以前紹介した映画「キングス&クイーン」の主人公ノラもそうですが、自分の生き方を絶対にまげないエゴイスト。子どもを愛しているけれど、仕事・恋愛・結婚も自分のスタイルを押し通す姿。本来男性も女性も関係ないはずなのに、まだまだ女性が働き方にエゴを通すことがバッシングされる時代。番組の最後に流れた大石静さんの「女性の時代」と言われなくなったとき…というコメントは的確です。
いろんな生き方がある。いろんな生き方をしている人みんなを応援したくなる、そんな気持ちとなりました。偶然とはいえ、見れてよかった番組です。
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