2024 05,17 07:52 |
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2007 05,07 09:06 |
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ゴールデンウィーク。テレビで懐かしいアニメの映画版を2作観ました。
「ルパン三世 ルパンVS複製人間」 1978年 「真救世主伝説 北斗の拳 ラオウ伝 殉愛の章」 2006年 ルパン三世は、子どもの頃テレビアニメで観ていましたが、同じくらい原作コミックもインパクトがありました。親も漫画好きだったため、のらくろからカムイ外伝、つげ義春作品等を普通に読んでいた少女だったため、あの原作の雰囲気も馴染みがありましたね~。今回初めて観た映画版第1作は、大人向けの男の美学が盛り込まれていて楽しめました。映画「カサブランカ」のボギーが見せるような、女を傷つけないように男があえて悪者を演じる懐の深さ。いつもいい男は損して傷ついているのだけど、女にさとらせない。ルパンが不二子の嘘に、わかっていてだまされてあげている姿が魅力的です。まあ、自信と余裕がなければできませんが。 北斗の拳。物心ついてから毎週ジャンプを読んで育った少女にとって、懐かしい作品です。しかし、ジャンプで読んでいた頃はだぶん小学生ぐらいの頃。主人公ケンシロウは追えるのですが、他のキャラクターを理解するまでの能力はありませんでした。ですから今回の映画版を観て、目からウロコの状態でした。 現在劇場公開中の続編、「真救世主伝説 北斗の拳 ラオウ伝 激闘の章」に対応して、ラオウの昇魂式(お葬式)にファンがつめかけたというニュースを聞き、「そんな馬鹿な~」と思っておりましたが、いやはや、観終わったら集まったファンの気持ちがわかりましたよ、ホントに。 ラオウを含め、北斗の拳って、まさに男のロマンが昇華された世界。暴力シーンの是非もあるでしょうが、闘う男達の背景まで読み込めると、泣けます。少女時代では絶対にわからなかった側面です。ラオウ、いい男じゃないですか。悲しい運命じゃないですか。 ちなみに、ルパンも北斗の拳も、隣で夫が解説してくれました。アニメや漫画を語るときの、あのいきいきとした表情。(お互い様ですが…)今までも日本のアニメ史上に名を連ねる名作の数々を講義してもらっています。この話題も長くなるので、いつかまた。 PR |
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2007 04,28 10:27 |
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「かもめ食堂」 監督荻上直子 2006年日本映画
ずっと観たかった作品。DVDで鑑賞しました。 舞台はフィンランド。主人公は、かもめ食堂という日本食の小さなお店をオープンさせた日本人女性サチエ。閑古鳥が鳴く食堂に、偶然フィンランドにやってきたみどり、空港で荷物を無くしたまさこさん、という日本人女性二人が手伝いに加わり、地元の人たちと繰り広げられる日々がゆるやかに展開していきます。 お店の看板メニューは、日本のソウルフード「おにぎり」。繰り返されるお茶の時間。珈琲、シナモンロール、しょうが焼き、鮭の塩焼き…味覚・嗅覚を刺激される映像。三人の日本人女性が漂わせるほのぼのした関係と、サチエさんが言う「素朴で美味しいもの」を誰かと食べるという空間が、なんとも幸せな気持ちにさせてくれる映画です。また、フィンランドロケの映像と、北欧デザインで統一された店内の小物や衣装など、北欧好きにはたまらない世界です。 存在感あふれる女優の、演技とは思えないような自然な姿。まさこさんがかもめに餌を投げるシーンだけでも、見る価値あったと膝をうちたくなります。(なぜかあの日本人女性3人の立ち振る舞いを見ていると、自分の実際の友達にそっくりで、妙に納得してしまいました) サチエのマイペースさとクールさ。毎日欠かさない合気道の型と、プールで泳ぐ姿が、長年培われた彼女の芯の強さをよく表しています。たぶん、女性なら憧れる一種の「強さ」を体現しているキャラクターです。しかし、大多数がみどりのような「繊細さ」「思い込み」「自分を守るための攻撃性」を有しており、サチエに憧れつつも、前進できない悩みを抱えているのかもしれません。まさこさんは一見幻想的な役柄ですが、女性が持つシャーマン的な能力をさらりと表現していて、妙に共感できる存在でした。外見は一番弱そうなんだけど、肝がすわっているところとか。 印象に残ったシーンは、サチエの泳ぐシーン。女性がひとりプールで泳ぐシーンがある映画って、なんでこんなに多いのだろう。しかも女性の内面の何かを象徴させている。 「人のいれてくれた珈琲は美味しい」 「人の握ってくれたおにぎりは美味しい」 映画の中のこのセリフは普遍的ですが、同時に、 「自分のいれた珈琲が一番美味しい」 「自分の握ったおにぎりが一番美味しい」 という人間も実際にいるわけで、(←体験済み)だから世の中いろいろでおもしろいのかな、と思えるわけです。 サチエのおにぎりに関するエピソードは感動的な場面ですが、自分は逆に、親の行動のトラウマで一生ご飯つぶを食べれないという人(これも実際の話)を思い出してしまいました。良くも悪くも、家族の生活習慣が、死ぬまで影響し続けています。 最近重い内容の本ばかり読んでいるせいで、かなりいい息抜きになりました。観終わったら、早速珈琲を飲んだ夜でした。 |
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2007 04,16 14:51 |
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「欲望という名の電車」 1951年アメリカ映画
テネシー・ウィリアムズの戯曲。主演のヴィヴィアン・リーとマーロン・ブランドの迫真の演技。名作の一本として必ず挙げられる、あまりにも有名なこの映画をDVDで鑑賞しました。 ニューオリンズの路面電車「欲望」(ニューオリンズの通りの名称が「欲望」のため。他にも「極楽」などと変わった名称の通りが実在した)に乗って妹夫婦のアパートメントを訪れるブランチ。教師の仕事を体調不良で休職したという姉を温かく受け入れる妹ステラとは裏腹に、自分を見下すこの義理の姉を胡散臭く思う妹の夫スタンリー。情緒不安定で気位が高い姉への態度をめぐり、妹夫婦の関係も変化し始める。長く居候し続け、自分の親友を誘惑して婚約したブランチに対し、スタンリーは彼女の過去を暴きだし、精神面的にも肉体的にも追い詰めていく。 狭いアパートメントの一室で繰り広げられる人間劇。全てを説明せず、場面描写もせず、会話の中から過去や周囲のエピソードを想像させる手法。登場人物の感情の変化さえも観客は自然と思い馳せてしまう。(自分で想像することが苦手なタイプには面白くないつくりです。)特にブランチとスタンリーの鬼気迫る会話合戦。この映画を撮ったとき、ヴィヴィアン・リーは肺結核症とひどい躁鬱症を患っていたとのこと。そんな状態で、この精神を病んだブランチを演じきっているなんて、改めて女優という職業のすさまじさを実感させます。また、演技力があり、年を重ねた女優なら当たり役となる悲劇的なブランチに反して、単純・粗野で彼女を追い詰める憎まれ役の男性スタンリーを、マーロン・ブランドが魅力の上では負けることなく演じきっているところも素晴らしかったです。 欲望(生)と墓地(死)、白と黒、貴族と庶民、男と女、若さと老い、精神と肉体…物語の会話や小道具の中で、さまざまな隠喩が飛び交います。世の中の事件の真相は何なのかはわからなくとも、ただ現在という結果により、人は判断して生きていく。古い規範や家族制度に縛られつつ全てを失い、ただ男の欲望を頼りに生きていくブランチを、古い家を飛び出して、若く魅力的で暴力を振るう夫を愛するステラを、妻や親友を愛するがゆえにブランチの過去を暴きつつも、逆に自分への憎しみを増やしてしまったスタンリーを、不憫に思うか、共感するか、馬鹿馬鹿しいと捉えるか、実に幅広い感想を呼び起こす作品です。だから名作といえるのでしょう。 登場人物の行動は、どれも間違ってはいないのです。どの感情も。どんなに愚かでも。 だからこそ、悲劇が痛いのです。 |
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2007 04,10 09:51 |
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「機動戦士ガンダム」劇場版三部作
今更ながら、ガンダム映画版(テレビシリーズを要約してまとめたもの。これ三本で全体がわかります)をDVDで鑑賞しました。 テレビでガンダムを観たのは何歳だったかな?エンディングの歌と、ジオン軍のモビルスーツの断片的な記憶、シャアというかっこいいお兄さんがいたぐらいのおぼろげな感想…。 以前、偶然につけたテレビチャンネルで、ガンダムを熱愛するお笑い芸人たちがひたすらガンダムの魅力を語りまくるというトーク番組を見ました。同じく、特定のアニメや漫画を熱く語るくせのある自分としては、「そうか~ガンダムってこんなに熱いアニメなんだ~」と素直に感心しまして、ガンダム通の夫の監修のもと、DVDを観ることにしました。 感想。子どもも大人も観ましょう、ガンダム! 芸人さんたちの熱く語るとおり、これは大人の鑑賞に耐え得る作品。根本的な世界観、キャラクター設定、セリフの一つ一つが「戦争」や「人間」について深く考察されて表現されています。地球連邦軍対ジオン軍という二枚板の対決に見せかけて、実は各軍内部もそれぞれの思想や体制の矛盾を抱えた人間のかたまりで、そのやるせなさ、愚かさが随所随所で露見します。最後まで見届けると、ジーンと心が熱くなりますよ。 真面目な感想はここまで。以下個人的な好みについて。 つっこみどころも満載♪主人公アムロ・レイのわがままぶりが笑えます。 「ぶ、ぶったねー」というあの名ゼリフ。私だって貴方をぶったたきたい♪ 最初から最後まで異様に動きが早いシャアの赤いモビルスーツ。一番可愛かったのは、ズゴック版。「シャカシャカシャカ~」というあの歩く姿が妙に愛嬌がありました。 そして何よりもお気に入りは、黒い三連星!ジェットストリームアタック!あのシーンが何であんなにインパクトがあるかといいますと、ガンダムを見ているのに、ここだけ突然に「赤胴鈴の介」を見ているかのような錯覚に陥るほど、旧式な・体育会系的な見せ場になっているからでしょうか。アムロに技を破られながらも、「もう一度、ジェットストリームアタックだ!」と再度フォーメーションをかけるあたりに、彼らの今までの辛い練習の日々が自然と想像され、一番の切ないシーンとなりました。 しばらく我が家は意味もなく「ジーク、ジオン!」、 3体の人形を縦に並べて「ジェットストリームアタック!」という言葉が飛び交っています。 観ていない人にはなんのこっちゃという話題でした…。 |
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2007 04,04 21:34 |
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「キングス&クィーン」 アルノー・デプレシャン監督 2004年 フランス映画
やっとDVDで観ました。満足。 主人公ノラは35歳。一人目の夫は死に、二人目の夫は現在精神病院。結婚を控えている三人目の夫は実業家。子ども一人。 もう一人の主人公は、ノラの二番目の夫イスマエル。突然の精神科措置入院。職業ヴィオラ演奏者。 物語はこの二人の人生を交互に描きます。二人が画面上で交差するのは劇中2回だけ。あとは平行のまま進みます。 とにかくよく練られた脚本。一見シンプルな画面の中に、人物の人生を象徴する小道具の細部の表現が見事。 ノラの人生は初めにおおまかに提示されつつも、映画が進行するにつれて、その意外な真相が次々に明らかにされていきます。イスマエルの周囲に登場する人物も、後から意外な一面がさらりと描かれたりして、この裏切り具合が巧み!コインの表も裏もスイスイと表現。 ノラの父の死、一人目の夫の死、イスマエルの友人の裏切り、かなり重い現実が盛り込まれていますが、それと同等の重さで笑いが並んでいます。実際、イスマエルのエピソードは笑えることばかり。悲喜もろもろを含んで進む人生。 劇中ノラの父が娘に残す言葉は、非常に冷酷で残酷です。しかし、この愛すると同時に激しく憎むという家族の感情は、自分自身の家族観も含め、リアルに感じました。そして、ノラという一人の女性が生きてきた時間を父の言葉が的確に表現しています。まさに彼女はエゴイストです。ノラの生き方を応援するか、自己中心的、冷酷と捉えるかは観客の人生観で大きく変わります。ちなみに自分は、ノラもイスマエルの生き方も、あるある、と興味深く観れました。 20代で観たら流してしまうシーンも、現在の自分だから、妊娠、家族をもつということ、子どもとの関係、子どもの強さ等々、感じ入る場面も多かったです。人生についてじっくりと考えることが好きな方にはおすすめの映画です。 ノラを演じた女優、エマニュエル・ドゥボスは決して美人ではないけれど、美しく魅力あるキャリアウーマン、悲しみを乗り越えるシングルマザー、冷酷な女王、無邪気な女性、と多面性のある役柄をぴったり演じています。それがまたなんとも魅力的。大好きなカトリーヌ・ドヌーブが出演していまして、それだけでも幸せ…。 |
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