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2008 03,17 23:37 |
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「狼たちの月」 フリオ・リャマサーレス作 ヴィレッジブックス
「黄色い雨」で心奪われたスペインの作家、リャマサーレス氏のデビュー作が翻訳され、手に取ることができました。 1937年スペイン内戦時代。敵に包囲され山に逃げ込んだ人民兵の、9年にわたる凄惨な逃亡生活を描いた小説です。「黄色い雨」でもそうでしたが、内容は悲惨で、絶望と暴力に満ちているのに、どうしてこの人の小説は美しいのでしょう。本が、文章が、言葉が、限りなく美しい。 「 ほら、月が出ているだろう。あれは死者たちの太陽なんだよ。」 主人公の父親の言葉が指し示すように、闇にまみれて生きるしかない主人公達ゲリラ兵に寄り添うのは月。血塗られた狼が見ることができるのは、死者の太陽。この題名が持つ力だけでも、感嘆。この小説に登場する月の姿は、今までになかったかたち。 最近は余裕のない生活を送っていましたが、そんな心にも、しみわたる小説でした。無条件に、「愛している」と叫びたくなる作家です。 PR |
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